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教えてドクター 10人に1人の病気…子宮内膜症を知る!

月経を有する女性の約10%に存在するといわれる子宮内膜症は、本来なら子宮の内側にある内膜組織(妊娠時に受精卵のベッドの役目となる組織)が卵巣やお腹の中などの子宮内膜以外の場所で発生、増殖する病気です。症状は月経痛(生理痛)をはじめ、月経時以外の下腹部痛や排便痛、腰痛、性交痛などさまざま。放置しておくと将来の不妊につながることもあり、卵巣にできた病変はがん化する危険性も。 また、まだ子宮内膜症になってない場合でも、若い間にひどい月経痛を放置すると、将来子宮内膜症になりやすくなるということも最近の研究でわかってきています。

女性のライフスタイルの変化も一つの要因

子宮内膜症の原因にはいくつかの説があり、はっきりとは解明されていませんが、月経血の一部が逆流しておなかのなかに流れこむことが原因のひとつであるとされています。昔の女性の生涯を通じた月経の回数が50 回程度といわれているのに対し、現代の女性では初潮の若年化や初産年齢の高齢化、出産回数の減少、授乳しないことなどが原因で、約9倍の450回にのぼると言われています。 すなわち、休むことなく月経を繰り返す現代の女性は、昔と比べると子宮内膜症のリスクが高くなっているといえるのです。
子宮内膜症は症状もさまざま。子宮内膜症の病変はさまざまなところに発生します!?

卵巣チョコレート嚢胞…卵巣にできた子宮内膜組織が出血を繰り返すと、チョコレート色の血が袋のように溜まり、卵巣が腫れます。?

ひどい月経痛は重要なサインです!

子宮内膜症の多くは強い月経痛を伴います。あるときから月経痛が強くなり、だんだん月経痛がひどくなってきたという場合はとくに要注意。吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状、腰痛、性交痛、排尿痛、過多月経や不正出血が見られる場合もあります。 このような症状は子宮内膜症に限らず、子宮や卵巣のトラブルを示す大切なサインです。「月経痛はあってあたりまえ」とがまんせずに、少しでも気になる症状がある場合には、できるだけ早く婦人科に受診することをおすすめします。

子宮内膜症の症状のあらわれ方は個人差があるので、軽い症状であっても要注意!
自覚症状がない場合もあるので、普段から婦人科で検診を受けることも大切

あなたは大丈夫?子宮内膜症チェック!

  • つらい生理痛がある
  • セックスのとき奥の方が痛む
  • 排便痛でいきむのがつらい
  • 生理のとき以外で下腹部が痛むことがある
  • 生理のときに飲む鎮痛剤の量が増えた
  • 妊娠を望んでいるのになかなか妊娠しない